2004年10月19日

暴風雨

16日土曜日、インディーズブランドバトルカットスロートの座談会が行われた。
当日夜からの開催だが昼から取扱店のひとつ上野クラウンには参戦ブランド、観戦ユーザーらが多く集まり、熱気で満ちていた。
しかし座談会はそう甘いものではなかった。
緻密で穏やかな会議でもない。和気藹々の歓談会でもない。食うか食われるかの場。それは必然なはずだった。カットスロートの名の下では。
座談会は六本木で行われた。ユーザーとして参加した僕だが、開始前確かに「楽しみだ」と無責任に思う気持ちがあったことは否めない。発言者席に座ることになっていながら「状況次第かな」と思っていたところもあった。
それは今となっては甘かったように思う。
内容はここでは詳細に書き記さないでおこうと思うが、意味のわからない読者が多いと思うので、この企画についてと結果とを記しておこう。
カットスロートについては今までにも記してきたことなので、ご理解いただけていると思う。わからない人は過去の記事を読むか、公式サイトをご覧頂きたい。
このカットスロートという企画の更なる向上のために、いわゆるメジャーブランドをゲストに迎え、参戦ブランドの各クリエイターを中心に、参戦および参戦意思のあるクリエイター、有志ユーザー(観戦者)、販売店員らがそれぞれの思いをぶつけ合うという趣旨で、座談会が行われた。
結果として、期待された白熱の議論は生まれず、不完全燃焼に終わった。メジャークリエイター、販売店の発破にも、参戦者は言葉が出なかった。観戦者の多くもその状況に飲まれた。
観戦者として参加した、と言うことを楯に言い訳はできるのだろう。しかし、観戦者には発言権をはじめから放棄することが出来た。それをしなかった、つまり自らいちファンとして盛り立てて行く意思を持っていた以上、覚悟なき者に発言者席にたつ資格はない。それはなにもこの世界に限ったことではない。

やはり何のことだかサッパリだ、という人もまだ多いだろうか。
平たく言うのは不本意だが、簡単にまとめておこう。
いくつかの議題があった。しかし積極的な発言がなかった。その意味するところを一口に説明するのは非常に困難だが、せめてもの助けとして、その後の話をしよう。

座談会後、終電のない人も多く、僕は六本木で夜を明かした。
同席したのはカットスロート参戦5ブランド、観戦者4人、といったところだったか。
そこでは打って変わって和やかな雰囲気だった。貴重な話、そして時には多少突っ込んだ厳しい話もあった。座談会への反省もあった。
それはそれで、不完全燃焼だった座談会直後にしては、実りある話が出来た。初対面ながら僕も座談会終盤から緊張が消えており、多少きつめの意見も含め、随分と話が出来た。

逆に言えばなぜ座談会でいえなかったのか…わかっている。緊迫した場面で言えるほど自分を強く持っていないのだ。素人だとか、たいした金額買ってないとか、初対面だとか、方やメディアに出る大物、方や自分はしがない学生。そんな言ってみればしょうもない引け目。
「不条理とさえ思えそうな」それは、そんな引け目を吹き払うべきものだった。いいてえこと言えばいいじゃねえか、そういうことだった。

その後、翌日17日夜。
カットスロート公式サイトBBSにて、高蝶智樹氏の呼びかけで急遽PC座談会が行われた。
モニタ越しなら萎縮しない(おそらく挙手などのプロセスがなく、クリック一つで発言できるから)…あたりまえだが情けない現実を感じながらも、議論は白熱した。

ログが残っている。
それを見れば、少しばかりこの座談会というものがなんだったのか、はじめてみる方にも伝わるのではないだろうか。
http://www.ash-int.com/talk/talk1.html

ここで、カットスロートの発展性、拡張性が具体性を帯びてきた。
あと必要なことは何か?
知れたこと、ブランドの頑張りだ。
激戦にならないペナントレース、誰が燃える?負けても負けても次のあるK-1曙の戦い、誰が楽しみにする?

Cutthroatを訳すと。
〔名〕1 のどを切る人;人殺し,刺客.2 《主に英おどけて》西洋かみそり(cutthroat razor). 
〔形〕《限定》 1 人殺しの,残虐な;〈競争などが〉熾烈(しれつ)な,食うか食われるかの 2 トランプ(組を作らず)各人で点を競い合う.

つまりこの企画のテーマは、食うか食われるかの生存競争ってことだ。
食われた奴に次はない。「試しに参加してみました」なんてノリ、客商売でまかり通るわけがない。
熾烈極めたバトルになれば、ちょっと好きな奴は目が離せなくなってしかるもの。参戦してないインディーブランド、いやインディーなんて呼び名と関係なく好きなようにやってるデザイナー・職人なんて日本中まだまだ山ほどいるに違いない。
東京の片隅の同人アンソロジーに終わらないよう、死に物狂いで戦って欲しいものだ。
15ブランドを「寄せ集め」にするか「豪華ラインナップ」にするか、それは作り手の腕と情熱に掛かってる。
posted by 遼 at 22:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | カットスロート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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