2007年11月30日

続:偽造品・模造品・模倣品

以前、スターリンギアのコピー商品のニュースについて書いた。
それをもう少しいじくってみる。

この件の嫌疑は「不正競争防止法違反」となっている。
つまり、一般的によく知られる著作権や意匠権の侵害、というわけではないようだ。
この法律は「この法律は、事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」と規定されており、製作者保護の観点で成る意匠法などとはやや趣を異にする。
意匠法や著作権法が客体に権利を付与することで知財の保護を図るのに対し、不正競争防止法ではその行為を規制することで知財の保護がなされる。
また、民法上では特定人に対する加害があってはじめて違法となるが、この法律では必ずしもそうではなく、行為の一定基準に反して利益を得る行為を捕らえているという特徴がある。
この法律で規定されている不正競争行為のうち、今回のケースでは「商品形態模倣行為」に当てはまる。これは、「最初に販売された日から三年以内の他人の商品の形態を模倣した商品の譲渡・貸し渡し・譲渡や貸渡しのための展示・輸出・輸入を行う行為」とされる。

この法の成り立ちを辿ると、外交上の信頼のため、という面がある。工業国時代の日本は、現在のアジアの国々がそうであるように、低賃金で大量の工業生産を行い、それを輸出する国だった。
戦前から戦後にかけて「メイドイン ジャパン」が粗悪品の代名詞であったのが、いつしか高品質の代名詞として外国映画などで使われるようになった変遷を、日本の成長の象徴のように言われることに心当たりのある人も多いだろう。
そんなかつての日本が、各国からの不正貿易への批判に対し、この法律が生まれたとされる。

これらのことを踏まえて今回の件を振り返り、ポイントを考えてみる。

まず、なぜ不正競争行為であるか…「人気ブランドの偽物で利益を得たから」。これは購買者が本物と誤認するか、もしくは「スターリンギアみたいで格好良いから」というような形で購入に至り、不正に利益を得た、というところがポイントではないか。
これは推測だが、少なくともファンの間だけでも「ブランド価値」のある商品の模倣でなければ、こういった事件にはならなかったのではないだろうか。
たとえ原告が訴えを起こしたところで、その商品・ブランドに周知性・顕著性がなければ話にならない。それこそ型を取った複製品でもない限りは訴えようもないだろうし言い始めたらきりがない。逆に言えばそのレベルで不正競争行為と言えるのか、と言えば実際のところ、疑問だ。
身も蓋もない言い方をしてしまえば、誰も知らない素人作品のデザインからアイデアを貰ったところで、市場の競争には何の影響もない。どころか、どちらが先か証明できない恐れさえある。たとえば、ブログ等の記事を盗作されたしても、ろくにアクセスすらない一般ブロガーがそれで裁判を起こせるだろうか?

前回取り上げたZEKEの撃墜王と、ケイシンインターナショナルで売られている商品は確かに類似しているが、「ダイオプサイド」「スカルの枠」というアイデアの類似だけで問題視することはたぶん難しいだろう。
さらにこの場合ケイシンで売られている商品がいつからあったのかを僕は知らないので、真実がどうなのかもわからない。実際、たまたまと言われても疑うだけの要素はない。
ケイシン側はブランドアイテムとして売っていないので、このケースでは「逆にZEKEが問題とされる」可能性はないに等しいと思うが、場合によっては「周知したものの勝ち」ということがないとは言いきれない。
もっとも現実問題として、(こういっては申し訳ないが)先行する有名ブランドに憧れて自分も作りたい、という制作者が多い中で、クリエイターとしての権利云々言えるほどのものがどれほどあろうか、と言えば僕もトーンダウンしてしまうところだが・・・

※経済産業省HPを参照していますが、法律は素人のため至らぬ部分多々あると思いますが、あしからずご了承ください。


posted by 遼 at 14:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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