2007年10月29日(月)20:32
シルバーを使った若者に人気のアクセサリーブランド「スターリンギア」の偽物を販売目的で展示していたとして、静岡県警生活環境課などは29日、不正競争防止法違反の疑いで、静岡市葵区のアクセサリー販売会社「東海産業」社長金井泉(38)=長野市稲里町中央=、同社取締役戸田章一(56)=静岡市駿河区南町=両容疑者ら3人を逮捕した。金井容疑者は容疑を認め、戸田容疑者は否認している。
調べでは、金井容疑者らは7月25、26の両日、静岡県沼津市などにある同社のアクセサリー販売店「GINYA」で、スターリンギアと類似した指輪やブレスレット計18点を販売目的で展示した疑い。
[時事通信社]
突っ込み所満載だけどあえて誰も絡まないシルバー業界を容赦なくぶった斬る(某彫金師評)こと数年。
ついに法の風がこの業界に吹きました。
GINYAといえば僕の愛用するF.A.Lも京都店に卸している有力チェーン。オリジナルブランドのM.G.Cは割と凝ったものが多く、最近Viewluという新ブランドを立ち上げたばかり。
よりにもよってこの大手トップが逮捕というのは、衝撃的なニュースだ。
そもそもシルバーアクセサリーの流通の大半は実際のところブランド物よりもそれに付随するように売られている、安いノーブランドだという説もある。
現実にウェブ通販でも幅を利かせるのは○○タイプ、○○レプリカ、なんてものを扱うショップだ。
少年誌からファッション誌まで、幅広く広告を出稿し、業界内でも力を持つブランドがある。ネイティブ系ではおなじみのBIGHAND。その直営ショップがア・ボンバーであり、運営はケイシン・インターナショナルである。
この直営ウェブショップを良くご覧いただきたい。
たとえば「スカルリング」を開いてみる。
先頭にジャスティンデイビス、そのほかもクレイジーピッグ、グレートフロッグのコピー商品が並ぶ。見ていけばいくらでもある。
「コピー商品が出まわっておりますので類似品にご注意下さい。BIG HANDは(株)ケイシンインターナショナルのオリジナルブランドです。」の警告文が空しい。
個人的に言うなら、ZEKEをひいきにしているものとしては、明らかに力関係上位のケイシンが個人運営で地道にがんばっているZEKEの看板商品「撃墜王」をノーブランド名義でパクリ、象徴の鷹だけ削って堂々と売っていることには怒りを隠せない。が、それはまた本題とは微妙にずれてしまう。
話を戻そう。
BIGHANDは仮にもシルバーアクセサリーの協会を立ち上げたうちの一人だ。
まあ胡散臭い協会だという声も絶えないけど、曲がりなりにもそういう活動をしようというものですらこんなもんなのだ。この業界は。
そんでちょっと他にも色々出そうと思ったけど別に告発しようという趣旨じゃないのでそれは置いておく。
とにかく、何を今更という話、なのだ。
今回の事例をどう捉えるかは難しい。
Gacktやhydeの格好を真似るには、おそらく大半ノーブランドの似たもの、というか要するに偽物を買うのだろう。
また、いくらなんでもノーブランドの1000円や2000円のものでオリジナル商品を安定生産する、これは不可能だ。
よく銀なんてグラム50円とかなんだからなんていう人もいるが、そんなのは映画のDVDを原価50円と言うようなものだ。
まして家電のような大規模市場ではないのだから、数で単価を落とすともならない。
ましてコンスタントにデザインを起こすとしたらデザイナーを雇う固定費用も馬鹿にならない。
そんな中で、若年層に廉価でアクセサリーを楽しんで貰うためには、アジアから大量買付けしてくるノーブランドのバッタモノしかない。特にコストのかかるブレスレットなどの繋ぎものはブランドオリジナルとバッタモノの差が著しい。
そうして偽物やニッケルが含まれた粗製濫造品などで採算を取らなければ、ショップオリジナルも立ち上げられないかもしれないし、作ったとして単価が上がっていただろう。
「安ければ」需要があることは原宿を歩けばわかることで、今回の逮捕劇が抑止力になることを期待されたとしても、コピー商品がなくなるということは考えがたい。
そもそも、雑貨感覚でノーブランドのみの経営をしているショップはもはや営業自体が認められないことになってしまう。今更それはないだろう、というのが彼らの本音ではないだろうか。
また、どこまでオリジナリティとしてみなされるかの判断は「スカル」「クロス」「リリー」「マリア」など多くのアイテムが具体的モチーフの上に作られていることから、かなり難しい。
しかし、いずれにせよこの件で今まで誰もツッこまなかったけど明らかにおかしな部分が公にツッコミを入れられた形になった。
あまり権利権利という戦いになって欲しくはないし、不正競争防止法もくそもこの業界でそんなこと言ってたら地殻変動を起こす気がする(それは見たいな)。
が、ギアのようなリッチなとこはともかく、個人でがんばってる人のアイデアを大手が盗んで才能の芽を摘むようなことはあってはならない。
今後余波が広がるのかどうかはわからないが、この実例が生まれたことは、大きな意味を持つはずだ。
と、いうか、ご無沙汰しております。わたくしです。
うちの商品のパク疑惑商品も何点か確認はしておりますが、実際、他の人気ブランドさんたちのパクられかたなんて相当なもんですからね〜。
特に金のあるところほど、そういう事を躊躇なく行ってくるのでガッカリを通り越して呆れます。
きっと組織が大きくなると、個人と違って責任の所在が不明確になるのでそういう事に鈍くなっていくのかもしれません。
作ったのは俺じゃないから、とか、俺は依頼されたから作っただけだし、とか、会社の方針だから売らなきゃ仕方ない。という風に。
表現を第一の目的としている者にとっては、パクリなんてのはこれ以上無い恥であり、本来の目的を否定する行為です。
確かに、飯を食っていく上で商業力というのは切っても切れないものですが、その考えを差し引いたとしても、商業力に偏った企業だからこそなせる所業なのではないでしょうか。
長々と、分かったような事を書きましたが、以前から思っていた事だったので、書きなぐってみました。
かといって、それを言い訳にする気は更々無いんですけどね。
実は、たまに目を通させて頂いてます。難しい内容も多いですが、銀陀羅っぽい銀ズバッ!期待してます。
なかなか難しい問題ですよね。端的に言うと、「クリエイターの作品」と「ブランドの(もしくはブランドでもなんでもない)商品」という立場の違いなのかなという気がします。
もちろん、フォロワーみたいなクリエイター?も多々いますが。
ケイシンの件もさすがにBIGHAND名義では出せないでしょうし、ブランドという冠を外せば「定番デザイン」の括りで、似通ってても誰も気にしないでしょうね。
問題はどこまでが定番なのか。クロスやスカルなんてその気がなくてもほとんど同じなんてのたくさんありましょうし、線引きは一概にできないのが難しいところです。
となるとやっぱりクリエイターの皆さんにはただただ独創的な作品を作っていただく、これしかないですね。(笑)
たまにしか更新できてないので、今後ともたまに覗くような感じで(笑)よろしくお願い致します。
人によって基準が違いますから。
最終的には、自分を律する心があるかないかの問題なのかも知れません。
って事で、これからもたま〜〜に覗きますね(笑)
露骨なコピー品が目につきましたね。
当時はまだギアのコピーはなかったかな!?
コピー品の氾濫に、少しでも戒めになればいいなと。
考えようによってはこの市場がようやくまともな地位を得始めた、ということかもしれません。
このテーマはもう少し回数をかけて掘り下げたいなー、と思います。
銀陀羅さんのシルバー、アーティクルに対するお考えは作り手として嬉しく感じました。
既成概念に囚われたくないのでSOLITARY GOATではクロス、リリー、スカルなどをメインに取り上げておらず、シルバーの購買層がどのような考えで買っているのか分かりませんでした。
大手メーカー、会社がこのようなことをやっているようでは購買層のレベル、これからシルバーを
やっていこうと思う若者のレベルが上がるようには思えません。
考えさせられる記事と銀陀羅さんのお考えでした。