まずはじめに、自身が外部からしか見ていないため実際の採算などをリアルにわかってはいないということはご承知いただきたい。
正確にどれだけのコストが必要でどれだけの売り上げが求められていて一日にどれくらい売れるものなのか、なんていうことの数的データはない。
リサーチもないのに役に立つかはわからないけど、ただ考えるだけなのでそこはご理解を。
このことを考える時、いつも枝葉末節まで考えが広がり、収拾がつかなくなっていた。
ブランドって何か、なんていうことは散々言われることではあるけど、ブランドが何かではなくどんなブランドを目指すかということで話は変わってくる。
販路関連の例
・直営の店舗を各地に展開するのか?
・取扱店に卸して展開するのか?
・工房で顧客と密接な商いをするのか?
いきなり直営店を展開しようとしても無茶な話だし、相当な初期投資、継続的なコストがかかる。テナント料、内装費、スタッフ人件費、それに在庫を自腹で丸抱えしなくてはいけない。
卸なら人件費やテナント料は直接掛からないが、卸値がいくらで卸せるかが大事になる。考えなしに地金がキャスト入れてグラム100円で、工賃乗せてじゃあ20グラムのリング1万5千円で、なんてしたところ卸値が2掛けの2千円、あら払いとプラマイゼロなんですけど、なんてことになったら悲惨だ。
1店舗の工房で、口コミやネットで広まって得意客が集まって、なんていうのに理想を描くかもしれない。1日3個平均2万円売れたとして25日営業で売り上げ150万。
それだけ売るのに何人客が入ったか?まさか毎月毎月10万も20万も落とす客はいまい。
1日3人といえば簡単そうだが、行きずり、常連合わせて75人の客が購入した計算だ。それだけの客をどう集めるか、そこが一番難しい。
そこで必要になるのが雑誌などのメディア露出。売れなきゃ大損のリスクが結局求められる。宣伝して売れたってカッコ悪いなんていうのは簡単だが宣伝もせずに誰にも理解されないままよりはましかもしれない。
いずれにせよ事を起こすのは簡単ではない。
それでも動き出したなら、「お得意様」の獲得にはある程度共通することがある。
mixiなどでブランド愛用者のコミュニティが形成されることに代表されるように、顧客は客であるけれど、好きで購入した以上その商品やブランドに多かれ少なかれ忠誠心に似たものを抱く。
それは時にコストパフォーマンスだとか品質だとかを度外視した、はたから見れば「えこひいき」でしかないようなものでも。
ひいきにいたる理由は色々あるだろうが、その顧客にとって何らかの「プラスの体験」がきっかけになっているはずだ。
・好きな有名人がつけていた
・恋人がつけていた
・店員の印象が良かった
・あるアイテムのデザインに一目ぼれした
・知人のブランドだから
・地元のお店だから
・初めて手に取ったブランドだから
いくらでもあると思うが。
そしてひいきになった時、芸能人やスポーツチームに抱く感情にも似た「おらがブランド」というような一種の期待感を持つ。
力のあるブランドはそうした「愛好者≒上得意」をひきつけるのがうまい。それは戦略的なこともあれば、ブランドオーナーの人徳によることもある。
簡単な話で、ファンというのは広めたいと思う一方で自分が特別でありたいものだ。まして金額的に安くもない投資をしているのだから、自分はこのブランドを支えている一人なのだ、という自負を持つ。
この部分においてデザイナーや彫金師が直接顧客と接するタイプのブランドの優位な点は、ノベルティや接客上のサービスのみならず、カスタムなどの実作業を通して特別感、占有感を与えられることにあるのではないか。
「こここうしてよ」とか「こういうの作ってよ」なんて気楽に言えるような店があれば、あちこちに分散する必要がほとんどなくなる。
ひいきの客にとってはその店でたいがい事足りる、となれば、同じくらいの金額で同じくらいの魅力のものがあれば、ひいきの銘柄を選ぶのは自然なこと。
取りあえず今売りつければいいや、といういかにも行きずりの接客にあった経験は誰もがあるだろう。
そんな説明聞いてないよ、とか、そんなこと知ってるよ、とか、場合によってはそんなこと言ってるけどほんとは違うくせに、なんてことも。
その場だけの接点と、繋がり続けているのと、同じだけの対価を渡すならどちらを選ぶだろうか。
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ラブクラフトの山下です!
いつもブログ読ませて頂いてます!
そしていつもすごく参考にさせて頂いてます!
本業にくわえ、ブログの更新は大変でしょうけれど頑張って下さい!
それでは失礼致します。
ご健康であられますように。
でもメルマガ見てるので、新作はチェックしてます。(笑)
最近は関西方面出向いていないですが、そのうち伺えるといいなあと思ってます。
真鍮シリーズが気になるので…
更新は全然してないですが(笑)ありがとうございます。