アルケミーゴシックに代表される英国ゴシック(※注)・パンクアイテムのカテゴリーというイメージがある。英国のピューターはブリタニアメタルともいうくらい由緒あるもので、鉛を使わず錫に若干のアンチモンを加えた合金。融点が低く鋳造に適しており、銀のまがい物ではない歴としたいちジャンル。そのはずだ。
まあそんなことはどうでもいい。
ストリートアクセネクストファイルのこの企画にとってそんな前置きは些細なことで、要するにトリビュートアイテム企画なのだ。
発売後2ヶ月近くして今更だが、この企画のアイテムをひとつ購入した。
ピンクスパイダーのカヴァーが話題になって間もないタイミングなので、なぜ今?とあざとさを邪推されるのではないかと気に掛かるが、まあそんなことを私に心配されるいわれはないだろう。
試み自体は非常に面白い。タレントの名前をPRに借りるだけのコラボレーションは正直もうおなか一杯だが、このようにテーマ性を持った企画は歓迎したい。
まあ、同誌で同時にやってる別のコラボはちょっとあれだけど。
というわけで、3月30日金曜日。一目ぼれしてしまった「F.A.L×ピンクスパイダー」を即注文。本を開いた喫茶店で携帯から、というザ・衝動買い。
受注メールが返信されますという自動表示に待つことしばし、まったくこない。結局来たのは週明け4月2日。29日発売からそんなにすぐに注文があるとは予想していなかったのだろうか。自動返信ぐらい用意しておかないと、注文できてるかも不安だったぜ・・・!あわや二重発注するとこだった!
で、お届けまで3週間という予定納期に気長に待とうと思っていたら、もう来た。10日で来るとは、さすがに驚いた。
思えば最近革小物とかばっかりに目が向いて、アンティークのブローチを除くと昨年秋のオーダーリング以来の新アクセサリーだ。
シャンデリア型のペンダントとか空賊十字とか、10万オーバーの予算でなんかそろそろ一点豪華主義のペンダントをと思ってはいたけど・・・
決め手は蝶の羽の造型と中央のクロスモチーフ。
ほんとなら中央をピンクゴールドにカスタムとかそういうことがしたいとこだけど、まあ久しぶりにシルバーのみのもいいかなと。
ぱっと見エレガントな造型なのだけど、蝶の羽を持った蜘蛛という構成(まあそうだよな)で、本体の球体状の目に気づいてしまうと途端にホラー。蜘蛛の目は実際には8つあるのだけど、よく漫画であるような3つ目になっていて、蜘蛛自体はデフォルメされてリアルな造型ではない(よかった)。
何しろ羽の装飾が良いのだが、羽の模様が蜘蛛の巣になっているのがにくい。ああ、なるほどっていう感じで。
しかし今回、「S.F.D×DICE」「野良猫×MISERY」と3種類なのだけれども、どれも欲しくなるような出来栄えの珍しいケース。
なにしろピンクスパイダーがHi-Hoと並んでマイフェイバリットであったり、蝶のシルエットに一目で陥落したりでF.A.Lを選んだけれども、残るふたつも手にとって見てみたい。WEBも誌上も写真が足りない・・・
せっかくこういう企画をやるのなら、どこかで展示して見る機会があればいいのにな、と思う。
しばしば「作品」と言われ、制作者を「クリエイター」と称するが、ならばなおのこと、買わなきゃ見られない、所持しなきゃ意味がないものに留めずにあってほしい。
見るだけでも楽しめるものだからこそ、着けて装飾になり得るのだ。
(※注):ここで言うゴシックは建築に代表される様式(一般に言うゴシック系シルバーアクセサリーで用いられるテイスト)ではなく、「ドラキュラ」「フランケンシュタイン」「アッシャー家の崩壊」などのゴシック小説の領域。ゴシックファッションもこちらであると思われる。なお、F.A.Lのブランドテーマが「ゴシックホラー」で、これもこちらの意味である。
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