2012年02月26日

一般消費者として

いつの間にやらそれなりにマニアなくらい物を見て来て、業界に期待したり憂いたり、そういうことしか書かなくなって久しいのだけれど、たまには原点に立ち返り、素人視点でのフツーのブログを書いてみようと思う。

欲しいものは今だって考えればいろいろあって、でも経済的な理由やら数あっても着けられる個数に限りがあったりでそうそう簡単に買うわけにもいかず、しばしばウインドーショッピングやネットで見て回ることを繰り返していて、あれやこれや思いを巡らせている。
ほとんど丸一年活動休止、なんて時もあったけどトータルにしてもうかれこれ開設から8年半。興味を持った頃に制作に手を出していたなら、今頃レベルはともかく物を造れる人になっていたかもしれないほどの年月、アンテナを張っている計算だ。
そういうわけだから、ブーム最盛期にティーンエイジャー、その辺を入り口にその後のドメスブランド隆盛と乱立、衰退まで素人目ではあるが見続けていた勘定になる。
だからブログ初期に「ほとんど素人なのによく万の値付けて売ろうと思うよなあ」なんて酷いこと言ったようなクリエイターも、続けているならいっぱしのキャリアを積んでいることになる。考えてみると結構感慨深い。
海外ブランドがブームを作り、メンズアクセサリー市場が一般化して大体15年というところか。90年代初頭くらいからガボール、クロムの上陸で火がついた筈だが、多分そのころのバイクブームの影響もあったのだろう。
当初バイカーイメージが極めて強かったシルバーアクセは段々と日本ならではのビジュアルロックに寄っていく。
今でもなおインポートものはモーターカルチャーとの親和性を維持しているように思うが、爆発的に増えた日本企業主導ないし日本の個人ブランドはゴシックを先鋭化していったり華美な路線に走ったり、どちらかと言えばフィギュアなど立体アートの趣がシェアを広げて行ったように思う。
またいかにも日本の少年心をくすぐるのか、そもそもビジュアル系自体そういう感もあるのか、案外アニメ、マンガ系の二次元文化とも融合していたように思う。今で言う「クールジャパン」に合致するが、やはり日本人の創作はそっちに向かうのかもしれない。

下火になったというとやや語弊があるが、市場が細分化し、ビジュアル系にせよアニメ系にせよ、一つ一つのジャンルが狭まり、市場が小さくなった。同じようにアクセサリーの一時の爆発的ブームはやがて沈静化し、一種のサブカルのように特定のマニアが定着するようになっていった。
むろん、百貨店のような場でもまだ扱われているし、マニアじゃなくてもちょっと着ける、ということはある。過度のブームが去り、それなりの形で定着したと見ることもできる。
しかしながら単価と普及率、耐久財であるためリピートのサイクルが長いなど、おそらくまあそんな単純な話だけでもないだろうが、あまり景気がよろしいとは言えず、専門店は激減。激増したブランドも行き場を失くし、一方比較的廉価で一定の質を担保できる量産メーカーばかりが売り場に並ぶような状況になってきた。
ここについていち購買層として大変不満なわけである。それにしても前置きが長かった。

装飾品の難しさは、なにしろ必要性の低さに尽きるのだろう。ある程度以上のクオリティは着用上はほぼ機能をなさない自己満足、精神的な作用であるし、必然的に割ける金額も限度がある。デザインが良ければ他に何もいらない…という考え方を見かけることもあるが、おそらく商業的には「ファン」を獲得しないと質だけで勝負する意味のあるアイテムではないと思う。
存在自体が付加勝ちみたいな商品なので、ブランディングや企画性が占める価値の割合が衣類や食品よりずっと大きくなる。
そういう中で、まずアクセサリーを着けることにそれほど意義が定着せず、なんならアクセサリーしてる=ロック好き?のようなイメージが残ってしまった結果、下手をするとダサイ、イタイ、オタクくさい、などマイナスの印象を与えかねない。その逆風の中においては、「これならオシャレである」だとか、またそれ以外にも何らかの、装着する価値を提示できないことにはこれはもう勝負できない。

なにが言いたいのかというと、値段の難しさ、さらには昨今の地金相場高騰もあり、市場がとても退屈になってしまったと感じている、ということ。
新しいブームを巻き起こすような、「新機軸」はそうそう出てこないし、販路、業態もどん詰まりだ。どうもなんだかファッション業界と一線を引いている感じがするから余計に縁が遠のく。
だからっていかにもな銀屋に行くのは、実は僕でも結構気が引ける。はっきり言ってあまり声掛けられたくないと思ってしまうし、ふらっと足を止めてポンと買えるような商品は、ない。
だから初めから入らない。流動客を掴みにくい商売をしてるなあ、といつも思う。

まあいいや、と店に入ってもどっかで見たような真鍮アクセだったり編み込みブレスだったりスピネルネックだったり、もう見飽きたいつものシルバーブランドとなんか良くわからないオリジナル商品。せいぜいがそんなところだ。
毎回言うけど別にぶった切ってやろーなんてこと思っているわけじゃない。今回に限って言えば、本当にこう…街歩きしていて思うことだ。これ、多分だけど、別に僕が上級者になってしまったからってことじゃないと思う。実際店減ってるし。

まあでも多分それがせめてもの売れ線なんだろうとは思う。大概の服が年2階のサイクルなら、ほどほどの値段のアクセサリーをそれに合わせてサイクルする、今までの話の中で最も合理的なことだ。

だから、アパレルがシーズンごとにリリースする、一部は定番品、コストは服に合わせコントロール。非常に分かり良い。
素材は真鍮にメッキが質感、コストともにちょうどいい。キュービックジルコニアよりはスワロフスキーガラスの方がイメージも良い。
あるいはタレントやアーティスト、コンテンツのグッズとしても、バッジやキーホルダー同様収まりが良い。着用すればコラボ商法にもぴったりだ。そもそも芸能人とは最初から親和性がある。
…そういう立ち回りになってくるのかな、と漠然とした現状からの流れが見える。もちろん極端な話で、死滅するわけではないと思うが…
革小物なんかでも、一部のブランドを確立したメーカーを除けばOEMやライセンス生産が主力というところが多いだろうと思う。そんな感じに。

もっと色々なところで、もっと気軽に見られたら。そういう日が来ると願っていたけど、現実はニッチになるばかりだった…


解決のなき、雑感。
posted by 遼 at 12:28 | Comment(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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