なんか最近イベントレポばかりだし、どっちに向いてるのか自分でわからなくなっていたので…。
こういう書き出しの語り掛けも誰に向いてるか見えてないので結構怖いものがあるのです。
中途半端に外に向いているとなかなかこの辺悩ましいもんなのですよ。
もっと私的な日記だと気にならないんだけど。
とは言え折角色々見て回っているので、ここいらでいったん整理して初見を置いておこうかと思います。
では以下、いつものトーンに戻ります。
まず10月29日の銀フェス以降、行ったイベントはこんな感じになる。
・11月12・13日 デザインフェスタ
・12月4日 クリエイターズマーケット
シルバーアクセが多く出ているのはこの2つ。
他にクリエイター系のイベントとしては、
・10月30日 ロハスフェスタin東京
・11月3日 東京デザイナーズウィーク
・12月9〜25日 冬の汐博内 汐留クリエーターズマーケット
まあこんなもん。
時系列にちょっとずつ紹介。
1.ロハスフェスタ
名前からはわかりにくいけど、ヨーロッパの蚤の市をイメージした…っていうとまあフリーマーケットになっちゃうんだけど、要するにでかいフリマ。
大阪では万博公園、東京では光が丘公園でやる屋外型で、まあその雰囲気からなんとなくヒッピーっぽいというか、こう、ロハス、スローフード、そういうカルチャー系な感じで3Rに絡めたエコロジー啓発的な理念で運営されているイベント。
レザークラフトが割かし多いけど、ブランドレベルの物はそれほどの割合ではない。
その分アマチュアの創作的なところや、牧歌的なノリ、やたらと充実したフード類を自然の中で見て触れて楽しむことができた。
正直ごみごみして近頃では殺伐とした空気すらあるデザフェスに比べて、ゆったりと楽しめる場であると思う。
商業的成功を求めて出展する場ではないが、一種の表現活動の一環としては年にいっぺんくらい面白いのではないか。
2.東京デザイナーズウィーク
こちらは26年の歴史を持ち、これらイベントの中でも最も規模が大きいものでしょう。
出展も実績のあるクリエイターや大手企業、有名大学がたくさん。
こちらもエコ、自然をテーマに掲げ、アーティストや企業が発表やワークショップを行うというもの。
中には富士通デザインのように毎年列をなす名物ブースもある。
他にも積水はエコパネル素材を用いて生活を表現した空間を作り上げたり、ap bankの音楽イベントや環境に関する講演など、結構大掛かりなイベントだ。
それだけではちょっと当ブログと関係なさそうだが、もちろんそんな無縁なものではなくて、シルバーアクセこそ見当たらなかったけれど、実際にプロダクトを販売するブースエリアもある。
アクセサリー関係では台湾から来たウッドジュエリーの作家さんがいた。はるばる海を越えてくるだけあって、彼に限らず海外アーティストたちは自分のプロダクトの特徴を伝えようと、拙い日本語や丁寧な英語、それでもダメなら身振り手振り、実演で、精一杯アピールしていた。ここいらの姿勢は大変見習うべきものを感じた。
木製小物のhacoa、レザーのNO,NO,YES!など、既知のクリエイターブランドも出店しており、祝日ということもあり、またデザイン感度の高い来場者層でもあり、大変盛況だったようだ。
全体的には前年に比べるとスマートフォンなどガジェット周りのアクセサリーにやや出展プロダクトの偏りを感じたのは旬のせいもあるだろう。
3.デザインフェスタ
こちらはまあ毎度のことなので、どういうものかについてはあまり多く語ることもないかと思う。
少し気になっているのは、これは自分だけでなく他に行った仲間も同じことを言っていたのだが、「同人ぽい人が増えたね」ということ。
まあ広義で言えばそもそも同人イベントだという話にもなるのだが、そういうことではなくて。
一に、どう見てもただの素人という出展者が体感的に増えた。
二に、内輪の遊びでブースを出していて、門前払い状態のブースが目に付いた。
かれこれ5,6年くらい前から来ているイベントだが、なんだかんだで変化は感じる。
内輪なところは元々あったが、それにしたってある意味見知らぬ来場者もその内輪、という感じであった。まあ同好の士の集まりであるから。もちろんそういうスタンスの人の方が圧倒的に多いが、気になるのはその中でさらに特定の身内に向いている人たち。別に出展権を持っている以上文句を付ける筋ではないが、家でやっても同じじゃないかと思う。
中には結構腹の立つ思いをするようなところもあったので、敢えて言わせてもらった。
出展費用を払って出展する場合、どうしても出展者が客の意識を持ってしまいそうになるが、実質はテナント料を払って店をやるように、あくまで来場者が客であり、出展者は供給側であることを忘れるべきではないと思う。
その辺がしっかりできないとクリエイターという「モノを作って供給することを生業にする存在」にはなれないと思う。存在、どころか職業にしようと思うならなおさらね。
4.クリエイターズマーケット
行きましたよ、名古屋まで。
こちらも概ねデザフェスと同じ感じだけど、まだ殺伐とした感覚がないのがいい。デザインフェスタは少しイベント自体がブランド化してきてしまったが故なんだろうな。
クリマはどこか地元的な趣を残しており、会場のガレージ感もなんとなくマッチしている。
今回目に留まったのは、立体造形の類。なかなか精力的で、ああ、アートイベントらしいな、と思えるものだった。
デザフェスと共通して言えることだが、アクセサリー系ではシルバーから女性向けの手芸的なコスチュームアクセにシェアが移りつつある。ある程度彫金を嗜んでいる人も中にはいるが、多くは既製の真鍮パーツ、ビーズ、樹脂パーツ、時計パーツ、あたりを組立てて作るものなので、元となるパーツがあちこちのブースで被ったりしていると、若干変な気持ちになってしまう。
まあ、「アクセサリーパーツ」で検索するとすぐに出てくる奴なので。エッフェル塔とかトランプうさぎ、ハサミ、あたりが良く被ってたかな。エンブレムの土台もそう。
ファッション小物としては別に邪道というわけではないんだが、アートと言われると…ね。
5.汐留クリマ
ここはちょっと毛色が違うかな。それほど出展数も多くはないし、汐留地下通路の路上にブースを構えるので、ここ目当てで来る人というのはあんまりいない。クリスマスイルミや汐博に来たお客さん、近隣の会社員あたりが主要顧客になる。
だから多分ここでバイヤーと出会うというのはないと思う。わかんないけど。
ただ、人通りは日時にもよるけどある時はあるので、OLさんやふらっと寄ったおばちゃんが買い物してるのは目にした。つまり逆に言うとわざわざイベントに来ないような層の目には触れるということ。
実は我が父親も通りがかりに覗いて、2万の絵を買おうとしたとか。しかもすでに売約済みだったと。
というわけで、まあ出展のメリットは何とも言えないけど、見る側としてはあながち捨てたもんでもないと。まあいかんせんブースが少なく、日によって入れ替わり制なので近くで働きでもしてないとチェックする割に合うか怪しいけど、ついでに覗く分には。
ブランド的なところの出展は数えるほど。女性の手芸系がメインで、レザー、陶器等のクラフト系がちらほら。ただたまに極端なアート志向の人が現れたりもする、カオスな場。
とりあえず以上。ちょっとじゃないじゃんと思うかもしれないけど、ちゃんとそれぞれの特性や具体的な出展内容に言及すると多分それぞれで1エントリ使わないといけないので。
ただ多分行ってないとこれだけ見てもよくわからないだろうとも思うので、何か気になるところがあれば気軽に聞いてくれれば。
全体通じて、まあいつの時代も多分手芸は女性が主役なのかなというのが最近感じるところ。それは多分ロハスにしろクリマや汐留にしろ、アマチュア色の強いフリマ系がやや続いていたからだと思うのだけど、そう考えるとガチなイベントってあまりない。
デザイナーズウィークはガチで、企業関係者が多い。出展の中には実際に作ったサンプルプロダクトを出展し、実製造を請け負ってくれるメーカーを求めるクリエイターなんかもいた。昨年見かけたある台湾クリエイターは、日本のセレクトショップの取り扱いをゲットした。ウェアを作っているがこの出展には財布「所作」一本で勝負しているNO,NO,YES!は、このところ物系雑誌に立て続けに「所作」が取り上げられ、オールアバウトスタイルストアでの取り扱い、ブログ連載を開始した。
また未来に繋がる各企業のコンセプト展示が、姿を変えて実用化されるのを見届けることができるかもしれない、そういう場としてこのイベントは少し毛色の違いを感じ、見る側も面白い。
ただ出展においては他と比べて費用がグイッと上がる。
なにが言いたいかって別にデザイナーズウィークが良くて他が悪いとかじゃなくて、いろいろな目線を持って参加するとより面白いということ。
どうもなんかデザフェス系に皆が寄り過ぎているんじゃないか、と感じることがあって、それはイベント自体もそうなんだけど、出展の仕方にしても、またどういうイベントに行くかにしても。
直接関係ないので省いたが、僕個人はこうした展示イベントをもっと深く知りたいと思い、夏以降ゲームショウ、CEATEC(家電)、JFW JAPAN CREATION(生地・皮革)、インターナショナルプレミアム・インセンティブショー(ノベルティ)、スマートフォン&タブレット2012秋、東京モーターショーなどけっこういろんなところに顔を出してみた。
それぞれ良し悪しがあって、ぶっちゃけて言うと景気のせいもあって平均的に低空飛行の印象ではあるのだけれど、それはそれで様々な発見があった。
その上でアート・クラフト系のイベントにおいてなにを思ったかを抽出すると、他のなにより「表現」を出す場であるにもかかわらず、他のどれより内に向いてしまっている、ということ。
そして唯一外に向いていると感じたのがデザイナーズウィークである、ということ。上記のような実績はきっとそういうところにあると考える。
デザフェスを足掛かりに飛躍したいと持っている人がどれくらいいるかわからないし、もしかしたら今楽しければいいという刹那的な行事なのかもしれないけど、やっぱり見知らぬ道行く来場者ににこやかにコミュニケーションをはかるブースは面白いし、そこで何らかの形に残る…名刺でも、ノベルティでも、ものがあるとコミュニケーションが継続する。
もっとピンポイントで言えば、少しでも面白ければ僕は連絡先を渡すことも抵抗はないし、終了後フォローのメールがあったりするととても気持ちが良い。せっかくアンケート書いてアドレスまで教えてもそれきりだと次までそのブースを覚えていられるか自信ないし、どうせいちいちこっちの顔なんか覚えちゃいないだろうと思う。
我々来場者から見てあのようなイベントが面白い作品との一期一会の場であるように、作り手と受け手との一期一会の出会いの場でもある。
以上は必ずしも全てのクリエイター、ブースに当てはまるものではないということは重々承知している。同じく全てのお客さんに言えることでもないだろう。
ただ、これらイベントが「アーティストが集うことでより大きなムーブメントを」という理念によるならば、まだまだ力が合わさりきっていないぞと、こんなもんで終わらんでちょうだいよと、それは強く言いたい。
以上全体ザクッとした所感です。
形になりそうなら改めて撮りためた写真なんかも載せるかもしんないですけど、イベントばっかになっても「なんか良いよもうそういうの」って思われるかもしれないので、未定です。