2005年02月25日

これからのシルバーアクセサリーにおける見方、見られ方

おそらくは、インディーズ、メジャー問わず、海外も含め、僕はシルバーにアートとしての完成度を見ていないのではないか、と自らを思う。
クリエイターからすれば、言うは易し、というところも多いだろう。
それでも、中には進むべき道を見つけあぐねている人や、やりたかったことから離れている不安を抱えている人もいるかもしれない。
そこで、ジュエリーアートというものを改めて考えるということをしていこうと思う。
まず、本来的にアート作品であるためには、一点制作であるべきだろう。版画やシルクスクリーン印刷というジャンルにしても、ピカソらは油彩作品を版画にされることを嫌って自ら版を書き下ろしたというし、出来上がった作品は油彩作品とは趣を異にし、版画作品としての魅力を引き出すオリジナルとして作り上げたという。
日本では浮世絵の歴史があることから少し違うようだが、それでも最終的に画家のチェック、色あわせを経ずにサインが入ることはなく、そこらにあるようなコピー印刷品とは生産量、コストとも別物だ。
つまり、版画といっても、まずは版画家によるオリジナル版画というもの、画家が下絵、版の制作、刷り上りまで監修したオリジナル版画、そしてオリジナルの絵画を原画にして複製した版画と分類され、当然複製は価格も安い。
シルバーで言うなら1つめか2つめが主流、3つめがコピー商品ということになるだろうか(厳密に言うと違うが)。

所詮二次元の作品とは比較しようがないのはやむをえないが、ある程度の判断材料にしていただけると光栄だ。
それでは3次元、つまりオブジェとしてのアートを考えてみる。
実のところ、こうした意味でのアートとしてはシルバー作家はかなり有利な位置にあるように僕は思うのだ。
こういったものを書くに当たって高名な現代彫刻の写真をざっと見てはいるのだが、なぞの物体と人物像ばかりで、特に前者のような前衛的なものは一般人が好んで見たがるような代物ではないように思う。
そしてどれもが技術を要するものよりもセンスを追求しており、その点でも造形術に長けるシルバー作家やフィギュア原型師の技術は一般人が見てほぼ間違いなく「おお、すごい」という印象は持たれるし、目を引かれる。目新しさやアクセサリーというおしゃれ感もあり、実のところ展示会を開けばそこそこの当たりは見込めるような気がするのだ。

現在のシルバーシーンでは、はたしてビジネスという観点かアートという観点かつかみきれないものがある。製作者の多くがブランドという形式で活動する、言うならアパレル産業入りするというビジネス寄りの流れがあるからなのかもしれない。
「誰でもピカソ」になれるわけではない。アートとして今後シルバーアクセサリーが定着するようなことになれば、より高度なセンス、そしてより高度な技術、あるいは付随する作者のキャラクターなど含め、相当な勢いで淘汰されることも考えられるだろう。いや、多分されるだろう。さすがに何ぼなんでもピカソ並の看板を背負う覚悟でシルバーを作っている人はそういまい。
アートを極めるもの、カジュアルなファッションアイテムになっていくものと分化するかもしれない。絵画とイラストのような分化と考えればよろしい。
本当に美術的価値、完成度を誇る一点ものならば、10万や20万は高い買い物ではない。しかしその必然性を感じられるものは、今のところないように思う。
かっこいい、で収まっているうちはまだ商品だろう。しいて言うなら私見であり表面上得られる情報によるものだが、Holy sculptureファブリルハーツには芸術寄りのものを感じる。

シルバーアクセサリーの認知度は低いといえど、アクセサリーそのものはそれはそれは長い歴史のある大文化だ。いつムーブメントがおきるかもわからない。戦国時代の訪れは案外近いのかもしれない。


・・・仕掛け人になれたらいいな。
そのときはここをごらんのデザイナー様方は、覚悟なさってください。強弱の差が開くときだから・・・

この記事を書くきっかけがいくつかあるが、そのひとつのニュース
「このアイデアは、誰もがやりたいと思っていながら、技術的に難しいと説明を受けてあきらめてきたもの。それは根性や度胸がなかっただけの話。これをやり遂げれば、本当に評価されることは分かっているから、半端なものは出したくない。どうせやるなら、2番手、3番手が真似しようという気も失せるくらい、素晴らしいものを作ってぶち抜こうじゃないか。僕が苦労話をして回るわけじゃないが、製品を見たお客さんには絶対に伝わる」
企業レベルかもしれないけど、生半可な個人職人以上の職人魂があるとは考えられまいか。
逆を言えば、ぶち抜けたものの生まれないままでは、アートとしての成熟はないということだろう。


posted by 遼 at 00:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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