依頼したブランドはGuardia。神話をモチーフにしたブランドだが、アクセサリーとしてちゃんと落とし込んだデザインにまとめているところ、細部の作り込みもしっかりしているところが気に入り、オーダーに至った。
また作家さんとも直接お会いしてお話しする機会があったことも、切っ掛けとしては大きかった。
ZEKEの空賊十字同様に、ベースとなるアイテムを決めた上で、型から修正加えてもらったワンメイクカスタム。あの時は殆どフルオーダーに近い改変だったけど、それに比べると今回は原形に近い。
そのベースのアイテムは「アポロン」というペンダント。
今回は、石替えと、地金コンビネーションの指定、一部ベースデザインにカービングの追加を行っている。
石は毎度おなじみ、ガーネットへ変更してもらった。今回はファセットカットにすることで、光の反射を取り込んでみることにした。
アポロンのイメージをふくらませて、サンキャッチャーのような乱反射するニュアンスが出せればというアイデア。
平たく言えば、太陽神だけに真っ赤に燃える太陽ということ。
地金の変更は、石の覆輪をK18YG、石にかぶさる弦をK10PGとした。色の濃度の強く出る配合にし、シルバーとのコントラストを付けつつ、ゴールドパーツ同士も色味に差を付け、立体的なパーツ構成を生かそうという狙いだ。
さらにアポロンには弓矢の神という面もあることから、デザイン下部に鏃のイメージを導入した。全体に細かい柄になったため、この部分でシルバーの鏡面を光らせ、強く光る中心部と周辺モチーフ部とのバランスを取るようにした。(オリジナルではそういった意図から葉の部分に鏡面を取ってある)
それから裏面のカービングも新たに刻んでもらった。折角のワンオフモデルなので、裏面が真っ平らなのは勿体ないと思ったから。見えないところだが、ここはいつも重要視するところ。
「輝き」を重んじたこのオーダー、特にカスタム名みたいなのは今回付いてないが、言うなれば「ポイボス・アポロン」というところか。「ポイボス」は「輝く者」に由来すると考えられ、「光明神」と訳されるもので、ホメロスの呼んだ別称だ。なんか説明すると中二くさいが、良しとしよう。
今回のオーダーはこれまでのフィーリング先行のオーダーに比べると、かなり理屈っぽい打ち合わせになった。
作家さんの感性、意図を最大限引き出しつつ、既製品をグレードアップするクリエイションにしたかったからだが、この面倒くさいアイデアだしに付き合っていただいたGuardiaさんにはお礼を言わねばならない。
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