2011年01月16日

私的スカルのバランス論

今現在、僕がメインで使っているスカルリングは二つあります。
一つはこれもう結構現役長いですがZEKEの桜花ですね。
ohka.jpg
この子ですね。
もうひとつが、こちらは割と近年からの参戦になるんですが、春銀のドクロノユビワです。
RIMG0191.JPG
はい、彼です。

CREEPやLOVECRAFT、STRANGE FREAK、GEMINAなどの秀逸なリングに何度も心を奪われはしたんですが、社会人生活をしているとそうつける機会もないのでなかなか買うきっかけがありませんでした。
そんな中でなぜ彼らを愛用しているのか、それを一つの価値観の事例として紹介してみたいと思いますよ。


RIMG0182-2.jpg
はい、正面カット。
実はこの角度はあまり載せたくないんですね。
なぜでしょうか?
それはカメラが一つ目だからです。人間は二つ目ですよね。そうです。写真と肉眼で違って見えるんです。
平面的レリーフの造形は問題ないですが、この作品は極めて3Dの造形となっています。従って立体的に捉えられない写真では本来の姿と異なってしまうんですね。
具体的に言うと、実際はもう少しサイドから回り込んで見えるため、もう少し側頭骨が良く見えます。写真では眼窩の裏に回りこんで見えていますね。一方、せり出している頬骨は広く映ります。そのため上半分が窄まって見えてしまうのです。
通販などでスカルリングを買おうとする際は注意してください。この逆に写真でバランスがよく見えたと思ったら、実物は平べったかった(2D的だった)ということが往々にしてあります。
しかし造形のバランスについて触れるならばやはり正面カットでしなくてはなりませんので、やって行きます。

先に言っておきますが、よその商品を当て馬にするのは倫理的にどうかと思うのでやりません。その為非常に説明しづらいです。ご理解ください。
さて、しっかり測った真正面ではないので大まかに捉えていただきたいのですが、こうして線を引いてみるとざっくり見ても均整がとれていることがわかります。
僕は顎なし派なのでこれが理想的なバランスですが、これを見ると、顎がある場合おそらくは鼻腔にセンターが来ると美しいだろうという想像ができますね。
ところでこの図の中でまだはっきりしていない部分があるのはお分かりになりますか?

そう、鼻腔と上顎骨のバランスが説明されていません。
これは相対的なものだと考えます。実際に画像にしてお見せできないのが苦しいところですが、少し想像してみてください。
まず鼻が小さかった場合。この場合、歯の幅がこのままですと、随分大口な人に見えてきます。すると下顎骨の接合部、左右のこめかみから伸びてくる部分ですね、これがかなり外側に来ることになります。
そうやって全体像を想起していくと、下膨れの厳つい顔が出来上がります。すると鼻が小さいだけにバランスが悪くなりますね。
そのバランスを取るには、やや歯の幅を狭める必要が出てきます。しかしそれもやりすぎると鼻の下が長く感じられたり、宇宙人グレイのようになってしまうので注意が必要です。
この際言っておきたいのは、八角形の下側が多少長細くなってもバランスは取れるということです。紋章の類を想像していただくと分かりやすいでしょう。その場合は着ける時顎が下に来るようにするべきでしょうね。ただ顔のパーツが下に寄りすぎないように気を付けたいですね。
なおこの画像はド正面からのマクロ撮影なのでどうしても中心がデカめに見えています。現物を見ると多少イメージが違ってくるかもしれません。 特に鼻はちょっと実際より大きく見えますし、平置き状態でやや歯が前に来るのでそこらへんも強調気味に撮れています。
RIMG0180.JPG
参考。みての通り眼窩の位置に比べ鼻、前歯が高い位置にあります。

あとは側頭骨の幅とかで調整のしようはもちろん他にもあります。
Courts&Hackettのデスヘッドなどは鼻腔側骨を高くとって鼻腔が小さめですが良いバランスです。この場合アングルの違いもあると思いますが、鼻梁が高いのでうまくまとまっているように思います。
このバランスですと、同じように均整がとれていてもやや上品なおとなしめの印象になっていると思います。

さてでは桜花の方はどうでしょうか。
V6010145.jpg
平置きではなくはめた想定の正面図を見てみましょう。
気持ち盾形のバランスですね。直線でアウトラインを取ると、西洋の兜のようなバランスになっています。機動戦士ガンダムの「ギャン」というモビルスーツを思わせるバランスです。
横の線は最も前に突き出た部分で取っています。二次元で説明する苦労を察していただけると助かりますが、勝手にやってることなので自分のせいです。

この平面図だけで見ると、「おめーの理論に合わせて線のひき方変えてるだけじゃねーか」となってしまうので別のアングルから見てみましょう。
IMG_093102.jpg
はい、横からのカットです。
まあ何を申し上げたいかというと、このリングの造形は額を頂点にして指先へ向けて収束していくようなバランスで作られているということです。この辺はリアリティよりも造形を優先して作られた感じが伺えます。
ZEKEのこのころの作品で言うと、雷電などにも同じ造形の傾向が見えます。
またこれもやはり、顎を下に向けて着用するのが正解だと思います。
もちろん、上記で検証した春銀のものもそれほど違わないバランスでしたから、横からのアングルでのバランスも全体的には同様になっています。が、桜花の場合は凹凸をかなり削った造形になっているところが違いといえば違いですね。
これはリアルなスカル全部そうなんじゃねえの、と思われるかもしれませんが、もう少し口が前に出てくるような場合もありますし、まず指入れの角度がそれぞれの工夫点でもあります。
顔正面に対しもっと平行な指入れの場合も多々見受けられますが、その場合は必然的に顎が上がってくる形になります。
そうした場合個人的には平面的になりがちなので、スカルリングのバランスとしては今回挙げたようなものが理想に近いと考えています。
最初の方に書いたとおり、写真でバランスがよく見えたと思ったら実物は平面的、ということは結構起こります。単純に、三次元的に造る方が難しいですし。

ですので通販のみで展開されるブランドさんにおかれましては、ぜひ多数のアングルでの写真を見せて欲しいと思います。
あと正面写真についてはある程度距離とってズームで撮れば、もうちょっと肉眼に近いものになるはずです。うちのコンデジとへんてこな照明ではきれいにできませんでした。すみません。

なお、最後に念のため申し上げますが、別になんかちゃんとしたデザイン理論ではありません。俺理論です。あしからずご了承ください。
posted by 遼 at 01:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイテム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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