2005年12月29日

メッキ/コーティング

先日のオーダー品でピンクゴールドメッキを使用した。シルバーアクセサリーのコアファンの中ではメッキを無条件に悪とする節も時折見られるが、そもそもメッキのイメージが「メッキがはげる」という慣用句になっているように、粗悪な中身を隠すといったマイナスのものにななっている。
それでもメッキ工業はしっかりと定着し続けているし、メッキ商品が売れなくなっているわけでもない。
なかでもロジウムメッキ、パラジウムメッキは白金族元素といわれ、プラチナと似通った性質を持つため、変色しやすいシルバーの保護にしばしば使用される。
あるいは単純に保護されているのみと感じているユーザーも多いかもしれないが、このメッキを施すと見た目にはほぼプラチナの輝きになっている。
そのため「シルバーアクセサリーがつけたいが、変色は嫌だという人のために」という売り文句に限っては、真実を伝えているとは言いかねる。
同じ白い金属とはいえ、銀とプラチナ族の輝き方には違いがあり、より柔らかく艶のある光を放つ。また変色や使い込んでの風合いも銀の特徴だろう。
銀の光を生かしつつ変色を抑えるならば、92.5%が銀であるスターリングシルバーの割金(わりがね)にパラジウムを用いるなども考えられると思うが、どうだろう。やったことはないけど。

メッキへの抵抗はものによりけりだろう。奈良の大仏は1200年前における鋳金工芸の技術の結晶であるが、同時にその表面処理もまた見事である。確かに金銭的に見ればあれが全て純金でで来ていればとてつもない高額であろうが、美術と原料価格とは価値の観点が違う。

シルバーアクセサリーにおいてメッキが生きてくる場面はどのようなものがあるか、少し考えてみる。皆さんにも是非いっぺん考えてみていただきたい。
まず、シルバーにおいて銀色でない部分は。燻し、メッキ、樹脂コート、漆塗りといった着色と、ロウ付け・接着、石留めによる異素材コンビネーション。
このうち着色では、やはりメッキのイメージが良くない。メッキでなくゴールドやプラチナでパーツを作ればいいところをただケチっているために消耗品的・商品的であるということがあるだろう。たとえばオーディオのジャックが金メッキであることはその機能面での価値が重要視されるために、誰もそれをセコイとは言わない。
一方樹脂や漆は金属では出せない色だから、表現手法の一つというわけだ。
確かに僕もせっかくシルバーアクセサリーを買うのにメッキじゃあな、と避けてしまう。
シルバーがメンズジュエリーとして発展した背景には、硫化による変色と素材の柔らかさがある。前者はくすみによって出てくる、宝石等のジュエリーとは異なった味であり、後者は傷や曲がりが起こりやすいがゆえにシンプルなジュエリーデザインよりも荒っぽいデザイン、工芸品としての素材に使われたこと。またその際にも燻しによって白黒の表現が出来、スカルや動物等の具象モチーフの表現が容易かつ高度にできることもある。
比重の違いもあり、18金は純銀の1.5倍の重さである。これも、50グラムだ100グラムだという怪物リングなどを愛好する人はともかく、30グラムほどのヘビーなリングが18金では50グラムに迫る重量になってしまう違いは結構大きい。現実的にフルゴールドのスカルリングなどをどれくらいの人が欲しがるかわからないが、地金代だけで10万である。鋳造作業費、原型制作費、フィニッシュ作業費等を加えるとちょっとすさまじい額が予想される。それ以前に重過ぎる。
個人的にはそういうものにこそシルバーでいいじゃないかと思うが、もしそれでも金色がいいというのであれば、メッキはひとつの選択肢だろう。ただそれを安易に選択することにはやはり抵抗感は拭えない。真鍮だっていいと思うし、そこで金を、というのはやはりゴールドのジュエリーというものがあるからこそ生まれる発想で、そういう観点ではやはりまがい物の金という感は否めないからだ。
ダイヤモンドと同じで、その辺は分相応でいいのではないかな、と思う。キュービックジルコニアや人工宝石はフェイクとはまた違うので一緒には出来ないが。純金のロレックスなんてお金のある人がつけるもの。フルメッキが悪いとはいわないが、それはやっぱり消耗品のちょっとしたファッション雑貨。
なんだかんだでノーブランドの安いアクセサリーが一番売れるといわれるように、そのスタンスはそのスタンスでひとつの正解だし、僕だってそういうレベルから入っている。生まれた時からブランド物に身を包まれて生きてきてる人なんてごく一部で、何もそこまで全てのハードルを上げろというわけではない。
ただあくまで位置づけはハイエンドたりえない。

長くなってしまった上にこれ12月中から書いてて終わらないので、次回以降に続きます。


posted by 遼 at 14:34 | Comment(4) | TrackBack(0) | 所感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
たしかプラチナもみんなロジウムコーティングされてるからあの色はプラチナそのものの色じゃないんじゃなかったっけ?
ホワイトゴールドと混同してるかも…細かいことはくわしい人に任せます汗
Posted by あれ… at 2006年01月12日 18:59
キズ防止でロジウムコートされることもあるそうですね。ホワイトゴールドはホワイトと言っても少し黄色くて、変色があるためにロジウムコートされるようです。
Posted by 遼 at 2006年01月12日 23:31
ホワイトゴールドは種類が馬鹿みたいに沢山あって、その中でキャストに用いられる種類のヤツ(流れ易いヤツ)が黄色味が強いみたいですね。
したがってキャスト物の方が必然的にロジ(パラ)メッキしてある事が多いみたいです。
Posted by 犬 at 2006年01月13日 02:35
個人的にはホワイトゴールドはプラチナの代用品感を感じてしまうんですが、どうなんでしょうな。 外部の参考は次回にと思ってましたが http://www.gem-land.com/index.shtml ジェムランドの「ジュエリー大王」なんかが参考になりそうに思います。(「基礎用語」にホワイトゴールドについてがあります)
Posted by 遼 at 2006年01月14日 17:08
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